いよいよ、第7講は電気です。
物理学では電磁気学として、ひとつの分野になりますが、ルーウィン教授のこの講義では、難しい理論よりも自然現象を中心として、直感的にわかるような説明になっています。数式などは基本ありませんが、今後本格的に、電磁気学を学ぶときの基礎になると思います。
序論では、琥珀をこすることで静電気が生じること。琥珀はギリシア語で「エレクトロン」から電気の「エレクトリシティ」がきていること。
琥珀のような、擦ると物体が電荷を帯びることを「摩擦帯電効果」(トライボエレクトリック・エフェクト)と言う。
帯電列…2種類の物体間の殿下の帯びやすさの順に並べたもの。離れるほど擦りあわせたときの電荷が帯びやすい。
・フランクリンの「電気流体」説
すべての物質には、「電気流体」あるいは、「電気火」が浸透している。
フランクリン、「火」を多く含む物質は正電荷、「火」が足りないと負電荷と考えた。
また、電荷は保存されること。「電気火」が多くも物質ほど、互いに近づくほど、より「反発」、「引き合う」力が強くなる。
「導体」「不導体」があることも知っていた。
・人間が思考できるのも電気があるからだ
私たち脳細胞の間で電気信号が行き来している。
基本、この世界のほとんどは電気現象によってなっている。
・電子をこそげとる。
陽子がプラスになったのは、フランクリンがガラス棒を絹布で擦って、ガラス棒が帯電したのをプラスとしたから。
原子核を野球ボールとして、電子はなんと800メートル先にある。なんと、スカスカなのか。
原子核の中には、正電荷を持つ陽子と電荷のない中性子、その周りに負電荷の電子がある。全体として、陽子の数=電子の数であり、電気的に中性となる。
現に、純粋1000万個の分子中、イオン化して電荷が偏っているのは1個、地球上のほとんどの物質は電気的に中性。
電子が不足している物質は、プラスの電荷を帯びている。電子が過剰に持っている物質はマイナスの電荷をもっている。
ほとんどの金属は、電子が金属の原資の中を自由に動く、導体である。
空気自体は、絶縁体だが、水分があると電荷が流れ出す。ドアノブなどに手が当たった時に感じる電気ショックは空気が乾燥しているときが多い。
・櫛を使った実験
櫛を絹布で擦り、マイナスに帯電させ、紙切れに近づけると、櫛にくっついたり、くっついてもすぐに離れたりと面白い動きをする。
これは、紙切れの電子は自由に動けないので、櫛のマイナスの帯電の影響を受け、紙の原子レベルで電子の偏りができ(誘電)、誘電分極により櫛にくっつく。しかし、櫛の電子が紙切れに移動すると、反発と紙の重みとで離れていくものがある。
クーロンの法則…このように帯電により、同電荷の物質は反発し、異電荷の物質は引き合う。厳密には、二つの電荷の積に比例し、二つの粒子間の距離の2乗に反比例する。
1クーロンは6×10の18乗個の電荷(正電荷なら陽子の数、負電荷なら電子の数)
・電子が働き、物は引き合う
誘電は、不導体だけでなく導体でも起こる。
ゴム風船の性質が興味深く、誘電の学習の理解に良い。
・火花とは何か
電場とは、荷電粒子などが、力が働く場のこと。
電場の強さは…ボルト/メートル
物体のボルト数は、その物体の「電位」を表す。
1ボルト1クーロンの正電荷を電場中を動かすために1ジュールかかったとする。その間の電位差が1ボルトという。
もちろん、正電荷を中心に考えているが、負の電場の中を、1クーロンの正電荷が引力で動いた場合、負のエネルギーとなる。逆に元の位置に戻るためには、正のエネルギがかかる。
電流…電位差の中を(高い電位から、低い電位へ)流れる電荷が、電線の中を1秒間に1クーロン電荷が通過している電流の量を1アンペアという。
ところで、静電気の時に生じる火花は?
静電気において、ドアノブに手をやった時に、電子がその隙間に飛び込んで空気をイオン化する。そうすると、さらに多くの電子が飛び込む。この時の空気のイオンが、空気中の電子と再び結びつき、エネルギーの一部を光として放出する。
・電流が人体に危険な理由
電荷が体内に流れると、筋肉が収縮し、痙攣が止まらない。
1秒未満でも0.1アンペア以上の電流が心臓を通過すると、死に至る危険がある。
・稲妻は地表から空へも走る。
雷は、雲から地表へ、地表から雲へ両方向に走る。
雷の音…雷のエネルギーは空気を2万度に熱する⇒超高温⇒空気から強力な圧力波⇒冷たい空気にぶつかる⇒音波が生じる。
・スニーカーを履いていても被雷する
スニーカーやゴム底の靴では、雷の威力には無意味。
自動車の中は安全というが、現在の自動車はグラスファイバー製も多く疑問、確かに、雷などの高周波電流は導体の外側を流れる「表皮効果」がある。
ベンジャミン・フランクリン…雷実験、雷の中たこをあげ、濡れた麻糸のたこ糸の末端に、金属のカギをぶら下げ、そこから自分へは電気を通しにくい絹糸で実験。その金属のカギが雷の電荷を集めたとして、ライデン瓶(電気をためるコンデンサーみたいなもの)へ金属のカギをくっつける。そして、ライデン瓶を触って静電気と同様な電気ショックがあることから、雷は電気であるとした。しかし、この実験は真実か怪しいらしい。
あと、まったく勘違いで避雷針も作った。フランクリンの考えそのものは、避雷針が雷の電荷を吸い取って、雷を落ちにくくするという発想だった。ただ、幸運だったのは、避雷針に雷が落ちて、地面に逃げたことで、雷を直接避雷針で受けて建物を守るという役目を果たした。
以上、電気の講義は幅広く、理論的な面での解説は表面的でしたが、具体的現象に関しては興味深い内容だったと思います。
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